香港で資産運用した場合でも、日本に住居している場合には、日本で税金の申告(確定申告)などを行わなくてはいけません。確定申告は非常に面倒になりますので、その覚悟が必要です。しかし、香港における資産運用は、税金というよりは、証券購入時の手数料の安さであったり、資産を外貨で管理出来る事、国家破綻に備えるなどのメリットもあります。
2006年8月より香港非居住者向けの口座開設サポートが始まり、日本から郵送で銀行口座・投資口座を開設できるようになっていますので、郵送で銀行口座の開設を行えば、わざわざ香港に行って口座開設する必要もありません。海外から口座を開設したら、オンラインでコントロールします。また、日本から1日2万香港ドル(30万円)であればおろす事が出来ます。
*香港の口座開設は、日々変動しており、詳細はご自分で再度ご確認ください。
別に英語が出来なくても何という事はないですが、ある程度の英語力はあった方が良い事は確かです。英語が読めないと、もしくは話せないと、海外口座を開設した後にいろいろ面倒が起きるかもしれません。英語圏に1年以上留学していたとか、TOIECで700点以上は楽勝だぐらいの人が自分で、その他の人は通訳を付けましょう。
ちなみに100万円を超える現金を海外に持ち出し(持ち込み)する時には、税関に申告が必要になりますので、お忘れなく行って下さい。セキュリティー検査と出国審査の間にある税関カウンターで事前に持ち出し金額などを書いた紙を提出します。
ここで注意なのですけど、日本からの「日本円」持ち出し金額は500万円が限度です。外貨であれば持ち出しの制限を受けません。しかし、多額の資金を持ち出す際に「資産運用」などと書いて、500万円などの旅行で使うとはとても思えない金額を持ち出して香港の口座に入金するなどした場合には、後から税務署からお電話が来て「500万円持ち出したそうですけど、用途はどうなっていますか?」などと電話が来る可能性がある事を覚悟しましょう。もちろん、資産運用という名目で持ち出して、後から確定申告すれば何も心配ありません。
先ず、旅行で香港のHSBCの本店に行って口座開設しましょう。持参しなければならない物は、パスポートと紹介状、住所が分かる書類と現金となります。パスポートには住所の記載が無いので、住所記載があるものが必要になる場合があります。
必要書類
*2004年頃から紹介者は不要になっています。
以下の3つの書類のみで開設が可能です。
(1)パスポート
(2)住所証明
6ヶ月以内に発行された現住所の証明
(例えば、公共料金の領収書や銀行の取引明細書など)
(proof of existing residential address within 6 months
(eg utility bill, bank statement)
これは日本語のものは認められないので、発行日から3カ月以内の銀行・証券会社の英文のステイトメント(取引明細書)か残高証明書を用意しなければいけません。同一面に名前、住所、口座番号、どこかに銀行のロゴが必要です。
(3)お金
頭金(initial deposit) HKD10,000(\140,000)もしくはそれ相当の外貨があれば受け付けて貰えます。
An initial deposit
(ie. HK$10,000 or the equivalent in foreign currency)
地下鉄の中環(セントラル)駅で降りてから「皇后広場」と書いてある
地下鉄出口を出るとHSBC本店が目の前にあります。入り口にはライオン像が2つ向かい合ってありますが、その入り口を3階まで上る長いエスカレーターに乗ります。このエスカレーターを上がった所で、行員にアカウントを開きたい旨を伝えれば良いでしょう。
基本的に口座解説は全て英語となりますので、英語が出来ないという人は、辞書ぐらいは持参しておかないと申込書の意味が分からないという事になりかねません。また、大事なお金を預ける事になりますので、説明が良く分からないでは済まされない事がある事も理解しておくべきです。香港はイギリスように「契約」を重視する場所である事は忘れてはいけません。
HSBCの口座はいろいろな種類があるのですが、投資をしようと考えたならば、基本的に現地で口座を開く必要があります。口座の種類としては、プレミア(Premier)、パワーバンテージ(Power Vantage)、スマートバンテージ(Sumart Vantage)の3種類があります。プレミアは、100万香港ドル程度の預金を考えている人向けですが、この金額を香港に持ち出すのは意外と大変ですので省略します。この金額を持ち出す人は、税務に問題が無いか専門職の人に相談しましょう。
パワーバンテージ(Power Vantage)は、口座残高が20万香港ドル(約300万円)を下回ると口座維持手数料がかかります。維持費は月120香港ドル(約1800円)となっているのであなどれません。スマートバンテージ(Sumart Vantage)であれば、1万香港ドル(約15万円)以上あれば無料となりますので、小額の方はとりあえずスマートバンテージ(Sumart Vantage)にしておきましょう。違いは小額保険が含まれる事や小切手が発行出来る事などですが、日本人にはほとんど関係ありません。
しかし、実際にアクティブに香港で投資したい!と思っている方であれば、パワーバンテージ(Power Vantage)を作るのは当然かと思いますので、こちらを選択しましょう。
口座管理手数料
→HSBC Premier
1,000,000HKD(約1200万円~1500万円)を下回ると「340HKD/月」(5000円)
→PowerVantage
200,000HKD(約240万円~300万円)を下回ると「120HKD/月」(2000円)
→SmartVantage
10,000HKD(約12万円~15万円)を下回ると「60HKD/月」(1000円)
とりあえず、担当者と部屋の中に入って、申込書に記入、英語で説明しながらパソコンに入力という流れになります。パソコンに申込書の内容を入力して、ネットバンキング用のIDとパスワード設定を求められる場合もあるので、その場合にはIDとネットバンキング用のパスワードを入力して下さい。ネットバンクのパスワードの変更は出来ますが、IDは変更出来ないので事前に決めておくと良いでしょう。口座開設の確認のサインなどをしてとりあえず口座開設は完了です。口座開設手続きがすべて終われば、カード、小切手帳、暗証番号、ID、パスワードなどの一式が入った小さな箱を貰えます。
ちなみに、HSBCのクレジットカードが欲しいという場合には、定期預金などを組む事で別に審査も無しに簡単にクレジットカードを発行してくれます。クレジットカードは、当日発行されませんので、後日受け取りに来るか、日本にメール便で郵送して貰うようにすれば良いでしょう。
口座開設が済んだ後には、3階の窓口にて入金作業を行う必要があります。現金を差し出して、これ分をお願いしますと言えば不器用そうに数えてくれます。ここで注意しなければいけないのは、持参した円をここで香港ドルに変えて振り込む場合にはHSBC規定の為替手数料、円のまま預ける場合には、0.25%の外貨入金手数料がかかります。いずれにせよ、ご自身の希望される通過で保管しておきましょう。ちなみにATMの引き出しは香港ドルからしか出来ません。
ATM用のカードが渡されますので、そのカードで香港で1度お金を降ろすなど使えるかどうかを確認する必要があります。ATMで使うカードと一緒に暗証番号が記載された黒い封筒が2通もらえます。ここにATMの初期PIN(暗証番号)とテレホンバンキングの初期PINが書いてあります。とりあえず、この初期のPINを香港のATMで自分のPINに書き換えておきましょう。
日本のATMでも、このカードで1日2万香港ドルを限度に出金する事が出来ます。HSBC香港のカードであれば、郵便局の他に、シティバンクやVISAのATMでも下ろせます。日本で円を下ろした場合には、香港の普通預金(savings account)から引き落とされる事になります。また、海外引き出しなので1回あたり25香港ドル(約350円)の手数料が取られます。
一度に大きな金額を日本まで送金する場合には、銀行間電信送金(Tele Transfer)を使う必要があります。しかし、これは事前にtransaction limit revision request(処理金額制限変更願い)たるものをホームページからダウンロードして、金額とサインを書いて送ります。もちろん、この作業を現地でやってくれば更に便利になるでしょう。
香港HSBCで口座開設を行う方法
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