日本では、1980年ごろから未婚率が急激に上昇し始めて、2010年の時点では30-34歳でも男性で約5割、女性で約3割ほどの人が未婚の状態にあると言われています。また、50歳以上の独身である生涯未婚率も同様に上昇を続けていて、2010年の時点で男性の2割、女性の1割が生涯未婚となっています。
日本におけるこのような悲惨な状況で、何とか結婚をしようと婚活を行う男女は増えていますが、結婚相手を見つける事は年々難しくなってきて「婚活氷河期」とさえ言われています。
女性の要求は経済力
日本の経済全体が沈んでいく中で、経済力のある男性も減り続けてきています。若手の収入は特に上昇せずに停滞したままで、30歳で年収300万円、400万円というのが当たり前になりつつあります。女性からすると、夫の経済力が生活の質であったり、子供の将来まで決めると考えると、年収300万円、400万円の人と結婚に踏み切れない理由も理解できます。
未婚女性の4割の要求は、一家を養う最低限の収入である年収600万円と言われています。しかし、現実にほとんどの30代男性は300万円-500万円です。実際に30代半ばで収入が600万円に達している男性の数は、何と3.5%と超少数です。しかも、この600万円の収入を得るのに男性側は、会社に相当な時間と労働力を提供する事になっています。
男性側も自信喪失
・低収入の男性がアピールできない
男性側だって、給料が高くないと奥さん、子供を養っていけない事ぐらいは理解しています。だからこそ、自分の現在の給料(多くの男性は加えて貯金もあまりない)では、結婚するにも自信が持てなくなって、女性ばかりが焦りを感じて必死になって男性を探している状況です。
女性の方が必死になって婚活するので、女性が婚活市場では「女性が余る」ように見えて(実際にはそうでもないのでしょうけど)しまいます。女性が高収入の男性に集中すると分かっている男性は、自分をアピールしづらくなっているんですね。
経済力以外の価値観で結婚する?
実際に30代の半数の男性は年収が300万円そこそこで、自分の生活でも精一杯の生活をしている訳ですので、女性を経済的に支える事は既に非常に難しい状況です。300万円で1人の生活でもそれほど贅沢出来る訳ではないのに、結婚して300万円で2人の生活となると、とても大変な暮らしぶりになってしまいます。
・女性側も結婚後に我慢が多くなる
所得が300万円ほどの男性と結婚する為には、女性側も今までしていたファッションなどを切り捨てたり、少し貧しい家に住むなど大きな自己犠牲を伴う事になります。そうすると、子供が生まれたら、更に生活が貧困レベルまで貧しくなる事は目に見えており、このような超貧困生活を許容出来ない女性が多い事は理解できます。貧しい生活を続けていると、女性としての魅力を損なう事にもなるでしょう。
・女性が働く事の家計のダメージ
それならば、女性が一生懸命に働いて、家計を支えていくという方法もあります。しかし、女性が働く事による家庭への影響もまた非常に大きいものがあります。子供の為に十分な時間を取れなくなってしまったり、夫婦間でコミュニケーションが取れずセックスレスになるなどの影響が考えられます。やはり、女性の側が男性にある程度の経済力を求める事は合理性があります。
価値観の多様化に順応する
女性であれば、誰しもが友達の女性との状況を比較してしまいがちですが、先ずは人それぞれの状況が異なっている事を理解する必要性があります。男性の理想像であったり、社会や家庭の理想像というものは、テレビやドラマで社会的に勝手に作られてきた可能性があります。実際には、年収が高ければ労働が過酷で家を空ける事が多かったり、話が面白くないなど負の部分も非常に大きいことにも目を向けるべきでしょう。
・自分の価値観を広げる
単に世間の価値基準だけで男性を判断するのではなくて、自分の価値基準をもっと広げて行く事が大切です。例えば、学歴が高卒であったとしても、お給料を稼げる男性ならば別に良いでしょう。また、家賃などを考慮して親との同居を選択肢に含める事も選択肢になると思います。自分よりも年下の男性にも目を向けて見ると、興味を持ってくれる人が居るかもしれないなどです。
おわりに
就職氷河を乗り切る為には、男性に対する年収に限らず、自分の中にある価値観を大きく変更する事が求められそうです。それは、相手に求める容姿であったり、生活のスタイルであったり、自分の生き方に関してです。親の世代で固定された考え方は、親の世代と大きく変化した現代社会では通用しなくなっている可能性があります。自分なりの基準にする事で、相手に求めるものも違ったものになるのでないでしょうか。