リージェンツ・パーク (The Regent's Park) はロンドン北部にある王立公園 (Royal Park)です。公園はウエストミンスター区とカムデン区にまたがり、総面積は約500エーカー (約2.0平方キロメートル)と非常に大きなものです。公園内には400種類、30,000本以上の薔薇が咲く庭園、野外劇場、運河、スポーツ施設、学校などがあります。朝5時から日没までオープンしており、もちろん入園は無料です。
リージェンツ・パークには長さ4.3キロメートルの外周道路 (アウター・サークル)とより小さい内周道路 (インナー・サークル)の2つの円周道路があり、インナー・サークル内には公園の核であるクィーン・メアリー・ガーデンが設置されています。この2つのサークルを繋ぐ道路以外は敷地内のすべての道路が歩行者専用となっており、その為公園内はゆったりとしています。公園の南側、東側そして西側の大部分はトラファルガー広場やリージェント・ストリートも設計したジョン・ナッシュのデザインによるスタッコ塗りの白いテラス式住宅が立ち並んでおり、優雅な空間が作り出されています。公園の北東側を占めるのは世界で最初の科学動物園で、オカピなどがいるロンドン動物園とロンドン動物学会であります。
ロンドン動物園の更に北側にはバーミンガムからロンドンのテムズ川までを繋ぐグランウンド・ユニオン運河の一部で、リージェンツ運河と呼ばれる運河が通っています。この運河のおかげでCamden LockやMaida Valeから水上バスでリージェンツ・パークや動物園にアクセスする事も出来ます。運河を越えさらに北に進むと、そこはプリムローズ・ヒルです。プリムローズ・ヒルはリージェンツ・パークと地続きで一体化しているように思えますが、別の公園で、小高い丘から見渡すロンドンのシティやウエスト・エンドの眺望や数々の芸術作品の舞台として有名です。
リージェンツ・パークの広大な敷地の大部分は自然公園となっており、前述のクィーン・メアリー・ガーデンの他にアヴェニュー・ガーデンなどの庭園、サギや水鳥の繁殖地で夏にはボート遊びもできる湖、子供たちのための遊び場などがあります。また、イギリス式庭園やイタリア式庭園などさまざまな種類の庭園もあります。人々を楽しませると言えば、インナー・サークルには夏になるとシェークスピアの演劇などが上演される野外劇場があります。