ロンドンのテムズ川沿いにあるセント・トーマス病院(St Thomas' Hospital)は、何の装飾も無い四角い形が特徴的な建物で、イギリス議事堂の対岸にあります。ナイチンゲールゆかりの病院として、ロンドンでは最も有名な病院と言われています。セント・トーマス病院は、このナイチンゲールの発想を取り入れた病院なのだそうです。中にはナイチンゲール博物館が併設されています。
当時の戦争というのは、銃弾を受けて戦死するというよりは、負傷した傷が原因となって病気になって死ぬ病死が多数を占めていたようです。ナイチンゲールは、病院が衛星に保たれる事による死者減少のメリットを軍の上層部に理解させたといわれています。
余談になりますが、ナイチンゲールに大きな影響を受けたとされるのが赤十字創設者として第1回ノーベル平和賞を受賞しているアンリ・デュナンです。僅か5人で赤十字の基になる「5人委員会」を組織した後にこれをスイス政府に働きかけて国際会議を開催して「ジュネーブ条約」を調印します。後に政治的に乱発された平和賞も出来た当初はまともな使われ方をしていたのですね。