マンション経営のリスクは、非常に数が多くあり、マンション経営を行う場合には、全てのリスクについて細かく知っておく必要があります。大きな金額の買い物になるので、営業マンなど人任せにせず、自分でしっかりと計算しておく必要があるでしょう。
リスクについての理解
マンション不動産に投資をする場合には、そのリスクについて十分に把握しておく必要があります。例えば、以下のようなリスクが考えられます。
1、空室が続くリスク
2、集金できないリスク
3、金利上昇リスク
4、地震・火災等のリスク
5、老朽化リスク
6、管理業者のリスク
7、不動産価格低迷のリスク
8、低換金性のリスク
9、必要経費のリスク
10、新築・中古欠陥のリスク
11、周囲の人口変動リスク
12、失業・死亡で返済できないリスク
マンション経営をする人は、営業マンの言う事に耳を傾けて、感覚で物事を決めるような人は向いていません。将来の資金収支の管理を数字で計算して、事業としてマンション経営を行っていかないと、大幅赤字で大変な事になりかねません。「勢いで買ってから分かった」では遅いのです。
上記にあるようなリスクを全て計算に入れた上で、それでも安心してやっていけるようなマンション経営を行う必要があります。その為には、当初から多めとなる現金の準備など、余裕を持ったマンション経営を行うことが重要になってきます。
ローンについての理解
実際に不動産を運用している例を見れば分かるのですが、ワンルームなど小型の不動産物件では、ローンで購入した場合の利益は全く期待できません。収入が10万円で、返済が9万円というような利益が低くて、すぐにマイナスに陥りやすいという罠が待っています。
収入からローンを差し引いて「1万円の不労所得」と考えられるのは最初だけで、現実には将来に備えた修繕積み立て、リフォーム費用などを考えると、完全にマイナスになってしまいます。フルローンで住宅を購入するのは無謀です。
他人の資金と自己資金の分別
不動産というのは、現金で購入した場合には、売却すると現金が得られる資産となります。しかし、ローンで購入したのでは、売却しても負債が残る可能性が強い負債となります。実際に不動産を売却する時の価格は、自分が想定しているよりもずっと低い場合が多いのです。
購入した後で運用がうまくいかず、「やっぱり売却したい」と思って売却して、負債が残ってしまうと、その後の人生設計などで大きな足かせとなります。負債があるという事は、自分が貯蓄できる預金なども減少して家計のやり繰りが大変になるという事です。
住宅は売れず余っている
住宅を買おうと慌てている人は、全国的に住宅が余っている事を認識しておくべきでしょう。東京の住宅であればまだしも、地方では住宅を購入しようという人は、以前よりもかなり少ない「少数派」になりつつあります。
最近では、東京都内でも新築物件は、完成した時にほとんど売れておらず、千葉、埼玉、神奈川などにおいても、かなりの売れ残りが見られます。このような状況において、買い急ぐ理由は何もありません。じっくりと見極めてから購入すれば良いのです。
住まいの需要は先細り
日本の人口は、今後はどんどん減少していく事が明らかになっています。特に日本の人口ピラミッドを見ると、住宅を必要とする若い世代がどんどん減少していくので、住宅供給が過剰になる事は目に見えています。
現状で20%ほどの空室率は、このままいくと2040年に40%まで上昇するという試算(野村総研)もあるほどです。こういった状況の中において、住宅ローンを組んでまで積極的に買いに走る人が少数である事も理解できます。
買い家が資産となるか
買い家が資産とする為には、全て現金で購入するか、不動産の半分以上を現金で購入する事です。頭金だけ用意したり、全てフルローンで購入する方法では、実際に運用して見れば分かりますが、儲かる事がほとんど無いと考えて間違いありません。
不動産は、買った瞬間に価格が2-3割下落する事は良く知られています。購入した不動産のローンを返済しているうちに、購入した不動産が毎年どんどん劣化していきます。早く返済してしまわないと、経年劣化によって不動産が完全に無価値になって、売却したくても簡単にできないという事が起こります。
おわりに
マンション不動産の経営は、フルローンで行うのはかなり無謀であるという結論です。頭金を十分に準備して、現金に余裕を持って購入すれば、ローンを組んでも問題ないでしょう。不動産価格が下落していく中で、マンション経営が厳しさを増している事を理解しておくと良いでしょう。
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