石和温泉は、山梨県笛吹市の旧東八代郡石和町地域にある温泉である。石和温泉に隣接する形で市内の旧東山梨郡春日居町地域にある春日居温泉と温泉街が繋がっており、この2つの温泉街から離れたところにある日の出温泉とあわせて石和温泉郷を形成している。
1961年(昭和36年)に「いすみ荘」で温泉掘削を行った際、毎分2,000L、泉温49℃の温泉が湧出し、周辺の川や田畑に流れ出した。その後即席の露天風呂が作られ、「青空温泉」と称したのがはじまりである[1][4]。その後山梨県企業局や地域内の温泉宿によって掘削が行われ現在に至る[1]。最初に温泉が湧出した場所は現在日本中央競馬会の場外勝馬投票券発売所「ウインズ石和」になっており、入口付近に発祥の地の碑が建っている。 高度経済成長時代になってから出来た温泉であるが、新宿駅から特急「あずさ」「かいじ」で1時間半前後と近く、また中央自動車道開通などアクセスが容易になったことから京浜地区の奥座敷として発展。
団体客向けの歓楽温泉として知られ、コンパニオンを配置した温泉旅館が作られたほか、スナックやバーなどの酒場、さらにはストリップ劇場などの大規模な風俗街も作られた。しかし風俗街というイメージ低下の懸念に加え、団体旅行の低迷により需要が落ち込んだため、近年では個人客や外国人向けに力を入れるようになり、風俗店の取り締まりを強化する一方で笛吹川の鵜飼いや八幡神社の太鼓演奏など歴史、文化を強調したイベントを開催している。また周辺が果樹園であることから特産物のブドウやモモとも結びつけて、ワイナリーが至る所に点在する。
石和温泉駅から笛吹川まで近津用水路を中央に東西約1kmにわたり温泉街が伸びており、全盛期の宿泊施設は大小合わせて120軒超とその規模は熱海に次ぐともいわれていたが、現在は50程度の温泉旅館が営業している。宿泊施設は団体客向けの大型施設から家族向けの旅館、純和風の高級旅館など様々である。以前は宿泊前提であったが日帰り旅行向けの施設も増えてきており、健康ランドをはじめ有料の「石和源泉足湯ひろば」という足湯及び手湯も存在する。 共同浴場は石和温泉駅を南下し、平等川を渡った市部地区に「石和温泉」という名前の浴場が1件存在する。