くも膜下出血は、脳を保護する膜(硬膜、くも膜、軟膜)のうちの、くも膜と脳との空間=くも膜下の血管が、切れると起こります。ある有名な元アイドルがアラフォー(40代前半)で発症した事によって、一般の人に危機感が広まりました。これを防ぐにはどうしたらいいのでしょう。
1、血圧をコントロールしましょう
高血圧がリスク要因
高血圧は、くも膜下出血の、もっとも大きなリスクです。高血圧の人は、くも膜下出血での死亡リスクが3倍です。血圧が高いと、当然、血管にかかる圧力が高いですよね。脳内でも同じで、血管への圧力も常に高い状態で、破裂の危険性にさらされています。血圧は、瞬時のストレスで急上昇するので、十分に注意してください。
塩分を控える
高血圧は、体質でどうしようもない部分はあります。ですが、塩分の摂りすぎを控えれば、幾分下がります。くも膜下出血など循環器系疾患の患者は、塩分の摂取量が多い地方では多いといわれてきました。塩辛いものが好きな人は、そうでない人よりも、リスクが2-3倍になります。塩分を控えて下げられる部分は努力しましょう。その上で受診して、降圧剤を飲みましょう。そして、食事に気をつけてください。なお、野菜や果物に含まれるカリウムは、塩分を排出してくれるので、意識して野菜や果物を多めにとるといいです。
暖かさを保つ
冬場、暖かい居間や事務所などから、トイレやお外など寒いところに行くと、血圧が急上昇します。外に出るときは防寒着をしっかり着込みます。トイレには、最近ホームセンターなどで見かけるミニヒーターを置きます。
2、禁煙・禁酒する
タバコがリスク
高血圧と並んで、くも膜下出血の最大のリスクと目されるのが、タバコです。ある調査によると、喫煙者のリスクは非喫煙者の2-3倍です。例え、1日に10本未満であっても、20本以上のヘビースモーカーとリスクは変わりません。タバコ自体が、リスクを高めています。絶対に禁煙してください。
タバコをやめると、くも膜下出血のリスクは下がって、時間が経つにつれて非喫煙者と同じレベルにまでなれるのです。禁煙は努力できるので、とりわけ高血圧の家系や家族に循環器系疾患の人がいる場合には、禁煙しましょう。家族の既往歴があると、2倍リスクが高くなるともいわれています。同じ嗜好品でも、お酒の飲みすぎも、くも膜下出血のリスクになるとされているので、お酒は控えめにしましょう。
3、あまり知られていないリスクにも気を配る
輸血歴がありますか?
輸血歴があると、くも膜下出血のリスクが高いです。特に男性の場合には顕著で、輸血歴がある男性は、そうでない男性の4倍のリスクだそうです。どういうメカニズムかはわからないので、経験があれば食事等、より注意できるリスクを減らせる習慣は実行しましょう。ストレスも血管を傷つけ、くも膜下出血のリスクを上げます。
ストレスも影響する
ストレスの方は、これはなぜか女性が影響を受けやすい傾向があるので、気をつけましょう。ストレスは運動やカラオケなどで解消できればいいです。が、なかなか難しいところです。不可抗力の要因が多いですからね。ストレスを体で受けない、という習慣を作るように、思考や行動を変えていく必要があります。
4、前触れを見逃さない
頭痛や目の痛みなど
突然の変な頭痛・薬を飲んでいるのに血圧が乱高下・頭のモヤモヤ感・目の痛みなどが、くも膜下出血の前触れです。すぐ受診しましょう。循環器系の疾患は、突然来るかのように思われがちです。ですが、経験した人に聞いてみると、くも膜下出血の発作が起こる前に、変な症状があったと言います。
40歳以上は脳ドッグも
症状が無くても、40歳以上は脳ドックを受けましょう。費用は6万円ほどもしますが、脳ドックで動脈瘤がなかった場合、5年は再検査が必要ないといわれています。病気の怖さを考えたら、受けるべきでしょう。
おわりに
循環器系の疾患は、健康そうに見える人が、突然やられるケースが多いです。ですから、日頃から注意しましょう。
(三川恵子)
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