オープンソースCMSでコミュニティSNSサイト開設する方法


もし、ソーシャルネットワークを開設したいと思うのであれば、選択肢は幾つか存在しています。ここでは、オープンソースを使ってSNSを開設する方法を考えてみます。今まで何度も考えてきましたが、改めてまとめてみたいと思います。オープンソースでSNSを開発するのは、コストを安く素早くサービスを開始出来るという点が非常に大きな特徴と言えます。多くの開発者が開発に関わるようになっていて、大手企業であったり、政府機関などでも採用が進んでいます。



何故、試さないといけないかと言えば、それぞれのオープンソースの利点・欠点を知らなければ、ソフトウェアについて詳しく知るという事が出来ず、ソフトウェアについて「どのようなものが良いか」というものを知れなければ、良いサイトを作るという事は不可能だと思うからです。

1)XOOPS

日本人が中心となって開発された事もあって、日本最大のコミュニティがあるCMSとして2002年頃から発展して、2005年頃までは世界で使われるCMSとして広く普及しましたが、米国と日本の開発の葛藤などから、次第に開発が遅れがちになり、最終的にはコミュニティ自体も機能しなくなってしまった。既にオープンソースCMSとしては日本以外で利用される例はほとんど皆無で、日本でも使われなくなってきているCMS。

難易度 :インストールからモジュール情報まで易しい
将来性 :将来性はほとんど期待出来ない
SNS性能 : SNSとしての性能は高い
カスタマイズ性:テンプレートを内部から調整出来るなどカスタマイズ性は高い
モジュール・プラグイン:ある程度のモジュールは揃っているが、昔の物が多い
デザイン性:今では使い物にならないようなテーマも多い
情報量:日本語での情報量は豊富にあるので初心者向け
特徴:何よりも初心者は入りやすいが、将来性を見ると厳しいCMS

テーマ、モジュールともに今の時代に対応したCMS、SNSとは言い難く、日本だけに固執している所もあるので、これからサイトを開こうという人には、あまりお勧め出来ません。


2)OpenPNE

日本の手島屋が中心となって開発しているオープンソースCMS

難易度:2011年5月時点でインストールがSSHで中級者向け
将来性:手島屋が中心の開発が続いており、手島屋と運命共同体になる
SNS性能:もともとSNSとして開発されており、SNS性能は高い
カスタマイズ性:カスタマイズは難しい
プラグイン:現段階ではあまり期待できないが、最初からある程度の機能が揃っている
デザイン性:外観の変更は簡単だが、大幅変更は手間がかかる
情報量:情報量はそこそこだが、XOOPSほどではない
特徴:初心者はインストールからつまずくので、やはり中級物向け

3)Drupal

米国を中心に使われているオープンソースCMS

難易度:英語の部分が多いという事で日本人には難易度高い
将来性:オープンソースCMSの中ではWordpressと同じように将来性が期待できる
SNS性能:SNSとして威力を発揮するには、かなり勉強が必要
カスタマイズ性:カスタマイズ性は非常に高い
モジュール:大量に出ている
デザイン性:Joomlaほどではないが、Drupal7以降で良いデザインも期待できる
情報量:情報量は結構多いが、ほとんど英語
特徴:カスタマイズしたり、モジュールを組み合わせられる部分は大きい

どのオープンソースを使えば成功SNSを出来るか?

OpenPNEを頑張ってみようと思ったが・・・・

オープンソースにBestの選択というものは用意されていません。Betterを選択する事になるのですが、それでコミュニティを作ったとしても全く盛り上がらなければ何の意味もありません。盛り上がる為に重要なのは、サイト全体が見やすいこと、単純化されている事、外部との連動がある事など、様々な要因があり、かなり多くの部分が良くないと盛り上がりは期待出来ないでしょう。

OpenPNEで作られた様々なサイトを見てみましたが、ゲームサイト以外にユーザーが活発に討論しているSNSを全く見た事がありません。成功事例として通じるとすれば、非モテSNSぐらいのものかと思います。このSNSは、スパム対策などの為に携帯登録などを使ってはいますが、匿名性が非常に強いSNSとなっていて、実名でのコミュニティとは別のものがあると思います。

実際にOpenPNE3.4をインストールして試してみましたが、ある程度のカスタマイズした所で、実用に耐えれるレベルまで持ち込むのは非常に困難だという印象を受けました。全体的に悪い訳ではないのですが、細かい所を修正しなければいけない箇所があまりに多すぎるのです。例えば、デザインなどは外部に誰かが作ってくれている訳ではないので、自分でカスタマイズが必要です。それにRSS機能が提供されていますが、これも件数を直したり、外部ページを新しく開いたりするだけでカスタマイズが必要になります。また、管理画面も「これでもか!」というぐらい使いづらく出来ています。手島屋だけがカスタマイズするのでは、限界なんですね。

4)Wordpress(BuddyPress)

BuddyPressは、これはActivityを流せるので、最近の流行にあっているなと思います。そこにAlbumを追加したければ、BuddyPress Album+というものがあって、写真を共有できるという事で人気のようです。また、動画を入れるには、oEmbed for BuddyPressを使っている人が多いようです。他には、最近になって、Active Plusというものが出てきたようで、Facebookのようにアクティブの中に写真やら動画やらを入れられるようになっています。リンク、写真、動画が挿入できるようで、これ自体で出来上がっちゃっていますね。動画はYoutubeなどのURLを入れるようで、写真は1枚、複数アップロード出来るようです。

BuddypressのThemeの配布配布が行われているBuddypressThemeサイトがあって、あまり良いテーマはないですけど、それなりに気に入ったのがあれば、ダウンロードして適用すれば良いと思います。WordpressのThemeをそのまま使うというBuddyPress TemplatePackという物もあります。あとは、28Free Buddypress Themeという所も見ておくべきでしょう。ただし、これは導入が少々面倒なようです。あと、便利なプラグインについては、BuddyPressで使える便利なプラグインという所にも幾つか書かれていますので、参考になると思います。

なお、日本語の環境では、active streamにバグが発生するという事で、WP Multibype Patch(日本語版WPには付属)を使う必要がありそうです。あとは、コミュニティに必修のWordpressプラグインが開設されています。ただし、ここにあるPhotoDropperなどは、既に開発停止で動かないようで、注意が必要です。

更には、多くの人が利用しているCache用のプラグインも必要になりそうです。例えば、WP Super Cache、DB Cache Reloaded(マルチサイトは無理っぽい)、WP Widget Cache(Widgetをキャッシュ化するが、最新の情報が表示されないので、表示が遅くて最悪の場合に導入)、HeadCenter(日本人有志のをかもとさん開発)は、BuddyPressはBuddyPress用のプラグインが豊富ですが、単体で見ていくとHeadタグ内にJS・CSSが直接書き出されるものも多くあります。
Head Creanerを利用して圧縮することで、Headタグ内は非常にすっきりとして高速化が図れます。が、「活動」「プロフィール」「ブログ 」「メッセージ」「友達 」・・・といった各タブメニューはAjaxで動いているため、Head Cleanerを利用してJavaScriptを圧縮したり、キャッシュするとこれが動かなくなります。「W3 Total Cache」や「WP Cache」も有名だが、環境によって動作しない。

5)Elgg

米国で開発されており、恐らく最もSNSらしいSNSを作れるオープンソースであると思います。有志の日本人によって日本語化もされており、日本語での利用も可能となっています。ただし、そのままで使うには「ダッシュボード」という語句が出てきたりして、日本人には馴染めない部分が多いです。Elggでは、ダッシュボードを消す事も出来ますが、ダッシュボードに限らず、ユーザーに分かりやすいような構造にしようとすると、グループなど細かい所でかなり変更が必要になります。

Facebookだって、実際に日本人の加入者が増えたところでどれだけ利用しているかは疑問です。実際に利用してみると、機能が混乱しているように見えます。ユーザーにとって「使いやすいデザイン」というのはあると思います。直感で利用できなければ、利用者を増やす事は難しいと思います。しかし、Facebookは、直感で使えるほど整理されているように見えませんが、ヒットしましたね。日本人は「使いやすさ」などを最も重視しますが、欧米系ではモット重視する点があるという事かもしれません。

実際にElggのコミュニティを覗いてみると、同じように感じているユーザーは結構多くて、実際に「メニューのカスタマイズ」が非常に重要である事が分かります。メニューカスタマイズを得意としているのは、Drupalだと思いますが、Drupal7は対応モジュールが少ないので、気軽にSNSとまではいかないのが現状です。

6) Ucenter Home

Ucenter Homeは、中国のオープンソースソフトウェアです。一応、テンプレートは英語、日本語(私が翻訳したのですが)になっており、日本語としても使えます。しかし、このソフト自体がカスタマイズ性が低くて、思ったようにカスタマイズしていくには膨大な時間がかかると思います。どちらかというと、中国では「ゲーム機」としての意味合いを強く持っているように思います。つまり、中国の決算システムを取り入れているので、日本では「ゲーム機」として使う事は難しいと思います。

 

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